何より多重課題がすごい。食事の準備回りながら入院のアナムとって処置して記録して受け持ちの検温。窓口電話対応してコール対応して。分身10個くらい欲しくなる
— もも (@mm04mk) June 13, 2020
看護師の仕事は「多重課題」の連続です。
私も新人看護師の時、「多重課題」についてとても悩みました。
主治医からの点滴の指示変更や、緊急の検査が追加されたり、その都度優先順位を考えて行動しなければいけません。
これらの業務を安全に、かつ時間内で終わらせることも重要な仕事の1つですが、やるべき仕事が多いために、業務が重複してしまうこともよくあります。
しかし、多重課題は事前に対策を取ることも可能です。
私自身も先輩から助言をもらいながら、なるべく多重課題を回避する方法で仕事ができるようになりました。
この記事では、多重課題をクリアしていく具体的な方法を、体験談も交えて紹介していきます。
多重課題は事前に対策することが重要
業務が重なってしまう「多重課題」は、事前に対策をすることが可能です。
大事なことは業務が重ならないように調整すること。
受け持ち患者が多いと、やることも増えるのでどうしても業務と業務が重なってしまいますよね。
しかし、事前に業務を調整し重ならない様にしておけば、多重課題を回避することができます。
中には、患者さんの急変など予測できないこともありますが、多重課題だと分かっているものや、「この時間に業務が重なってしまいそうだ」と予測できるものもあります。
では、多重課題を回避する方法を詳しく解説していきますね。
【対策】予測できる多重課題を回避する2つの方法
朝の情報収集の際に、業務が重なってしまっている所が分かります。
- 同じ時間に重なっている検査と点滴
- オペ出しとリハビリ送迎
- オペ帰室の予想時間と点滴の更新 など。
患者の急変や緊急入院は予測できませんが、朝の段階で「ここは多重課題になっているな。 業務が同じ時間に集中しているな」というのが分かります。
その場合は事前に対策をしましょう!
多重課題を回避するための対策は2つあります。
- 優先度を考えて重なっている業務の時間を調整する
- 先に実施できるものは済ませておく
など。
この2つの対策について、詳しく説明していきますね。
【多重課題回避の対策①】優先度を考え、重なっている業務の時間を調整する
同じ時間にやることが2つ以上ある場合、一緒には実施できません。
なので、優先度を考えながら先に実施できるものや、後で実施できるものを考えてみましょう。
例えば、10時にAさんの検査出しとBさんの抗生剤の点滴があります。
検査時間は遅刻すると他職種の人に迷惑をかけるだけでなく、検査自体が中止となり治療スケジュールに影響がでてしまう恐れがありますよね。
そのためAさんの10時の検査出しはBさんの点滴よりも時間厳守で行わなければいけません。
対してBさんの抗生剤は10時ピッタリやらなければいけないワケではありません。
多少時間が前後しても問題ありません。
先にBさんの抗生剤を10時少し前に始めてから、Aさんを検査室へ移送すれば多重課題を回避でき、どちらもスムーズに実施することができます。
このように、優先度を考えながら業務が重なっている所は、実施時間をずらせるか考えてみましょう。
もし、後回しにした処置になどがあった場合は忘れないようにしっかりワークシートに反映させてくださいね。
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【多重課題回避の対策②】先に実施できるものは済ませておく
これは予測できない多重課題を回避するためにも有効な方法です。
例えば、CVカテーテルのルート交換と包交が予定されています。
今日中に済ませれば良い処置ですが、後回しにしていると緊急入院をとらなければいけなくなり、実施する時間が無くなってしまったりすることがあります。
空いた時間を見つけて先に実施しておくことで、時間に余裕ができます。
この時大事なことは、自分がその処置にどのくらい時間がかかるのか把握しておくことです。
CVカテーテルの包交に30分かかるとして、その処置中に他の患者さんの検査出しなどと重なってしまっては困りますよね。
そのため、所要時間も考えて始めると良いでしょう。
時間が決まっていない看護ケアや処置は早めに終わらせておくことで、忙しくなった時に時間の余裕ができます。
突発的な業務が重なってしまった時は、優先順位を考えよう。
患者さんの急変や、緊急入院などが予定していた業務と重なってしまった時は、優先順位を考えて「今すぐやらなければいけないこと」を冷静に判断しましょう。
優先順位の高い方がどちらか判断する
まず優先するべきは患者さんの安全です。
そのため、緊急性の高い処置やケアは最優先となります。
この時に実施しなければいけない点滴や検査出しなど、時間が決まっているものと重なっているときは他のスタッフにヘルプを出す必要があるでしょう。
時間をずらすことは可能か考える
急に業務が重なってしまい優先順位を考えた時に、優先度の低い方は時間をずらしても良いか考えてみましょう。
業務をずらすことで、多重課題を回避できればどちらも対応することができます。
例えば、10時に清拭を予定していたが、ナースコールで転倒リスクの高い患者さんからトイレに呼ばれてしまった場合。
この場合、転倒リスクのある患者のトイレの付き添いは早く言ってあげた方がいいですよね。(転んだら大変…!)
清拭を15分後にしてもらうよう患者さんにお願いし、トイレ介助を優先。
そして、トイレ介助が終わったら清拭に戻りましょう。
【経験談】多重課題の考え方を具体例を用いて紹介
予測できる多重課題と予測できない多重課題のそれぞれを具体例を用いて紹介します。
その時の状況をイメージしながら読んでみてくださいね。
予測できる多重課題:オペ出しと検査出しが重なっているとき。
10時にAさんのオペ出しとBさんのレントゲンの検査出し(車いす介助)が重なっています。
あなたならどのように対応しますか?
この場合、両方を自分一人で行うのは難しいのでどちらかは他のメンバーさんに声をかける必要がありますね。
オペ出しは手術室のナースへ申し送りがあります。
アレルギーやバイタルなど受け持ちがしっかりと情報を伝えた方が安全です。
そのため、オペ出しの前にBさんのレントゲンの移送を他のメンバーにお願いしておきましょう。
予測できない多重課題:抗生剤の点滴と急な患者対応が重なったとき。
10時の抗生剤をつなぎに行こうとしていると、認知症の患者さんが「トイレに行きたい」と起き上がっています。
転倒のリスクがあるため、見守りが必要な患者さんです。
あなたならどのように対応しますか?
この場合は、まず認知症の患者さんのトイレ介助を優先して行いましょう。
その後、抗生剤をつなぎに行けば多少時間がずれてしまっても大丈夫です。
このようにその場の状況や優先度に応じて、臨機応変に対応していかなければいけません。
悩んだ時は周りに相談しよう【報告・連絡・相談も大切】
看護師は多重課題の連続です。
何かやっているときに、新しくやることが追加されたり、ナースコール対応したり。
一人ではできない時もたくさんあります。
もし、迷った時は周りの先輩に相談しましょう。
安全に仕事をするためにも、困ったときは周りに声をかけて状況を知らせることが大切です。
そして、仕事が終わった後に、その日の振り返りをして良かった点と改善点を復習すると次回にも必ず活かされます。
様々な状況を経験することで、多重課題をクリアしていく方法が確実に身についていきますよ。
まとめ:多重課題は優先順位を考えて対策しよう
多重課題を回避するための対策は2つ。
- 重なっている業務を前後にずらす
- 先に実施できるものは済ませておく
仕事柄、一人で何人もの患者さんの看護や処置を行わなければいけないので、常に「多重課題」との戦いです。
しかし、優先順位を考えて業務をずらしたり、時間を変更すればスムーズに仕事が進むこともあります。
臨機応変に考えられるように、経験を積んでいきましょう。
優先順位の考え方や付け方についてはこちらの記事で詳しく解説しているので、参考にしてみて下さいね。
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