先日、新人看護師のKさんから私へお悩み相談を頂きました。
彼女が悩んでいる相談内容は自分が起してしまったインシデントについてです。
インシデントを起して悩む経験は、新人看護師さん誰もが経験した事があるのではないでしょうか?
そこで、当サイトへ届けられたお悩みとそれに対する私からのアドバイスを紹介する事で、同じ悩みを抱える新人看護師さんと悩みを共有できたらと思います。
では、相談内容と私からインシデントを起した後の気持ちの保ち方とインシデントを起した後に必ずやるべき3つのステップを紹介します。
(本人の了承は得ています)
「毎日仕事に行くのが辛い…」と悩んでいる新人看護師さんへ、こちらの記事で私が辛い1年目を乗り切った方法や体験談を書いていますので、参考にしてみて下さいね。
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新人看護師Kさんの相談内容
新人看護師のKさんからインシデントに関する相談を受けました。
相談内容
看護師1年目の者です。
先日、入職して初めてインシデントを起こしてしまいました。
同じ苗字の患者さんが隣同士のベッドで、間違えて薬を飲ませてしまいました。
今考えると「どうしてあの時確認をちゃんとしなかったんだろう」「間違いに気づくタイミングはいくらでもあったはずなのに」と毎日思い出して苦しくなります。
何よりも患者さん、同僚の信頼を失った気がしてこわくて仕事に行きたくありません...
こんなにとんでもないミスをしてしまって自信をなくしてしまっています。
すいさんならこんなときどうやって気持ちを保ちますか?
Kさんの辛い気持ち、痛いほどよく分かります。
「何であの時…できなかったんだろう。」
「あそこでこうしていれば、こんな事にはならなかったかもしれない。」
と後悔することから始まり、
「仕事をするのが怖くなった」
「私は、看護師に向いていないのかもしれない」
などと考えてしまい、仕事に行きたくなくなったり、自信を失ったりする人もいますよね。
Kさんも自分が起してしまったインシデントで、仕事に行くのが怖くなったと話してくれました。
私がKさんにお伝えした3つの事
私自身もインシデントを起した事はあります。
当時はかなり凹みましたが、そこで看護師を辞めずこれまで続けてきました。
私が新人時代に起してしまったインシデントやそこから立ち直った方法はこの記事で紹介しています。
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気持ちの整理の仕方は人それぞれだと思いますが、私自身の経験を踏まえて、気持ちをうまく立て直すために大事にしている事を3つ紹介します。
自分を責めすぎないようにする
ミスやインシデントをしてしまった時、自分のことをたくさん責めてしまいますよね。
ミスをしてしまった自分への情けなさや、絶望感、患者さんに危害が加わるかもしれなかった恐怖など…。
でも、自分を責めたからといってミスをした現実は変えられないし、過去には戻れません。
そして、それをいつまでも引きずっていると、さらに失敗しやすくなりミスを繰り返してしまう事に繋がります。
人の命に関わる仕事なので、「誰でもミスはしてしまうものだから」と簡単に済む事では無いかもしれませんが、絶対に失敗しない方法はありません。
看護師1年目でも10年目でもみんなミスをしてしまう事はあるのです。
だから、反省は必要ですが必要以上に落ち込んだり、自分を責めたりする必要はないんですよ。
自分の気持ちを誰かに聞いてもらう
また先輩達の目も気になってしまって、常にインシデントの事が頭から離れなくなってしまいました。
ずっとそんな気持ちを抱えていた時に、プリセプターと食事に行く事になり、職場ではなかなか言えなかった自分の気持ちを話しました。
プリセプターは「うんうん」と私の気持ちを受け止めてくれた後、「私は○○を失敗した事があるんだよ。」「でもこうやって乗りこえたのよ」と体験談と、「失敗で終わらせずに、次にしっかり活かす事が大事」と教えてくれました。
1人モヤモヤと後悔ばかりしていた気持ちが話を聞いてもらう事で、とても気持ちが軽くなり少し前を向けるようになりました。
話をする相手はプリセプターや信頼している先輩、仲の良い同期でもいいと思います。
大事なのは1人で抱えこまない事。
話をするだけでも気持ちは軽くなりますし、周りに支えられて自分は頑張れているんだなと実感できました。
時間が解決してくれる事もある
インシデントを起した直後は、ミスをしてしまった後悔で頭がいっぱいでしたが、しばらく時間が経つと気持ちも少し落ち着いてきました。
常にインシデントの事を考えて引きずってしまうのも良くありませんが、時間が経つと冷静に向き合う事もできるようになります。
インシデントを起してしまった事よりも「次にどう生かすか」をよく考えてみて下さいね。
インシデントとしっかり向き合う事でさらに大きく成長できる
常に完璧に仕事をするのは難しく、インシデントは誰でも起してしまう事があります。
でもそこで重要な事はインシデントを起してしまった後。
「仕方ない」「誰でもミスはするもの」ではなく、失敗してしまった経験から学ぶ事が1番大事です。
自分のミスを認め、反省した後は対策をしっかり考えてインシデントを成長の糧にしましょう。
インシデントを起した後にやるべき大事な3ステップ
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1インシデントの状況を振り返る
自分がインシデントを起してしまった状況をきちんと理解する事が大切です
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2気持ちを整理する
いつまでも辛い気持ちを引きずらないように、気持ちを切り替えましょう
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3今後の対策を考える
インシデントを繰り返さない為に、今回の経験から学んだ事を今後に活かしましょう
インシデントを起してしまった時はこの3つの工程を経て、次につなげる事が大切です。
インシデントの状況を振り返る
インシデントを起してしまうと落ち込んだり、自分を責めたりしてしまいますよね。
でもそれだけでは今後の自分の成長に繋がりません。
辛いかもしれませんが、自分がしてしまった事に目を背けずしっかり向き合いましょう。
なぜインシデントが起きてしまったのか、自分できちんと理解する事が大切です。
インシデントレポートは当時の状況を客観的に分析できるので、きちんと記載して振り返りをしましょう。
気持ちを整理する
気持ちの整理がちゃんとできないと、いつまでもその時の気持ちを引きずってしまい、その後の仕事にも影響が出てしまいます。
インシデントを起してしまった時のことばかり考えてしまって、過度な不安や緊張からインシデントを繰り返してしまう危険があるからです。
大事なのは気持ちを切り替えて前を向く事。
- 好きな入浴剤を入れてお風呂に入る
- 好きな物を食べる
- 友人に話を聞いてもらう
これらは私が気持ちを切り替えるためにやっている事です。
このように、自分なりに気持ちを切り替える方法を見つけておくと良いですよ。
インシデントを防ぐ為に、今後の対策を考える
気持ちが落ち着いたら、同じ失敗を繰り返さない為に対策を考えましょう。
- 次はどこを注意するのか
- どうしたら同じミスを繰り返さないのか
- 具体的な方法
などをしっかり考える事が大切。
また、1人で考えるだけではなく、同期や先輩に話を聞いてもらうのも良いですね。
周りの経験談などを聞く事で、新しい気づきや学びがあるはずです。
個人の反省だけではなく、職場の仕事環境や人的要因についてもインシデントレポートを用いながら分析してみて下さいね。
まとめ
インシデントは誰でも起してしまうものです。
でもそこでちゃんと反省して、次に活かす事が出来ればさらに成長出来るようになります。
それでも「仕事に行きたくない…」と悩んでいる人は、こちらの記事で仕事に行きたくない時どうしたらいいのかまとめていますので参考にして下さいね。
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