看護師として働くうえで、避けては通れないインシデント。
でもインシデントを起してしまうと、どうしても落ち込んでしまいますよね。
患者さんの経管栄養つなごうと思って訪室したら、転落してた...
今まで何回この人転落しとるんよ...
薬調整してもぜんぜんダメやし...
あーあ、初インシデントだよ— くみ🎈2年目看護師 (@calorie_0_zero) 2019年4月13日
よし、看護師頑張るぞっておもった矢先にインシデント;_;へこむなぁ、、。
— 🥀Mewはコスメルでヨツユ (@vanillas2nob) 2014年9月16日
ツイッターでもインシデントに落ち込む声がありました。
「看護師辞めたい。」
「私は看護師に向いてないのかも…。」
その気持ちよく分かります。
実際に私も新人時代にインシデントを起してしまった時、「何であの時こう出来なかったんだろう。」と自分を責めていました。
患者さんにも申し訳ない気持ちがいっぱいで、「看護師辞めたい…」と考えてしまう程でした。
でも、そこから気持ちを切り替えて、立ち直らないといけません。
このまま落ち込んだ気持ちで仕事を続けていると、精神的に不安定になり、仕事に集中出来ず、再びインシデントを起してしまう可能性があるからです。
そこで、実際に私がインシデントを起してしまった経験と、そこから立ち直る事が出来た3つの方法を紹介します。
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新人看護師時代に私が起してしまった恐怖のインシデント
私が初めて起こしてしまったインシデントを紹介します。
今でも時々思い出しては、胸にグサッと突き刺さるくらい苦しくなります。
新人看護師さんは、私と同じようなミスをしないで欲しいと思います。
CVルート(中心静脈カテーテル)を閉塞させてしまって再挿入になったインシデント
日勤での独り立ちが近づいてきた頃。
車いすの患者さんを、私が1人でレントゲン室に送迎しました。
CVルートが入っている為、輸液ポンプを使用していたのですが、病室へ帰る途中で輸液ポンプの充電が切れてしまいました。
「急いでお部屋に帰らないと…!」
点滴はそのままで急いで病室に戻り、コンセントを差して輸液ポンプを再開しましたが、輸液ポンプの閉塞アラームが鳴り続けてしまいました。
「CVカテーテル閉塞させちゃったかも…」
サッと血の気が引きました。
その時の私は、閉塞を改善させる方法が分からなかったので、急いで先輩看護師を呼びに行きました。
点滴ルートが再開出来る様に先輩看護師が処置をしている所の隣で、私は祈るような気持ちでした。
しかし、閉塞が改善される事はなく、後日CVを再挿入する事になっていまいました。
知識不足が最大の原因
今回私が起してしまったインシデントの最大の原因は知識不足。
新人だった私はCVカテーテルに点滴を常に通していないと、ルートが閉塞してしまう事を理解していませんでした。
その為、病室に帰るまでの数分点滴を止めていても大丈夫だろうと判断してしまったのです。
本来であれば輸液ポンプの充電が切れてしまった後、輸液ポンプからルートを外して、自然滴下にするべきでした。
ちゃんと正しい知識を持っていれば、CVカテーテルが閉塞してしまう事はなかったと思うと、本当に自分の知識の無さや判断の甘さに落ち込みました。
インシデントのショックで看護師を辞めたいぐらい落ち込んだ
自分のせいで患者さんに、再びCV挿入の痛い思いをさせてしまった事に対する罪悪感が大きかったです。
それからずっとこのミスの事ばかり考えるようになってしまいました。
「あの時ちゃんと自然滴下に変えていれば…」と後悔するばかり。
看護師の責任の重さを痛感し、看護師を辞めたいと考えるくらい落ち込みました。
そして、こんな間違いをするなんて…と恥ずかしい気持ちもありました。
患者さんに自分のせいで痛い思いをさせてしまった事が本当に申し訳なくて、自分の力不足に泣きました。
インシデントで落ち込んだ私が立ち治ることができた3つの方法
「看護師を辞めたい」とまで考えてした私が、インシデントの経験を乗り越えて、立ち直る事が出来た方法を3つ紹介します。
同期の看護師にインシデントの話を聞いてもらった
インシデントを起してから数日は、1人でずっと考え込んでいました。
頭の中をぐるぐるとその時の事が思い出されて、どんどん気持ちが沈んでしまいました。
その後、同期とご飯に行った時に、私がやってしまったインシデントをありのまま話しました。
患者さんに申し訳ない気持ちや、自分の知識不足で起きてしまった事など。
言いたい事や、思っている事をそのまま同期に吐き出しました。
同期は静かに私の話を聞いてくれて、励ましてくれました。
話を聞いてもらうだけで、気持ちがすごく楽になりました。
話す相手は、同期や先輩でも良いですし、医療に関係のない友達でも良いです。
まずは誰かに話しを聞いてもらいましょう。
割り切る。そして、悔しさをバネに勉強した
インシデントを起してから「自分が正しい知識を持っていれば起きなかったはず…」と自分を責めていました。
でも、このまま悩んでいても何も変わらないと気付き、割り切る事にしました。
起してしまったインシデントを取り消す事は出来ません。
私の場合は知識不足から起してしまったミスなので、その悔しさをバネに勉強しました。
次は絶対同じようなミスをしない為に、しっかり対策を考えましょう。
自分が好きな事をして気持ちを切り替えた
気持ちが落ち込んでいる時は、気持ちの切り替えも大切です!
- 例えば、
- たくさん寝る
- 友人と遊ぶ
- 美味しい物を食べる
- 読書をする
- アロマを焚く
など
落ち込んでいる気持ちを切り替えられるような事をしてみて下さい。
私は友人と美味しい物を食べに行って、たくさん話したら、気持ちがスッキリしました。
そして、どんなに落ち込んでいても生活習慣を乱さないようにする事も大切です。
考え過ぎて、食事が摂れない、睡眠が取れないような状況になってしまうと、仕事にも支障が出てきてしまい、どんどん悪循環になってしまうからです。
その為、大事なのは、前向きな姿勢になれるよう、早く立ち直る事。
自分なりに、上手く気持ちを切り替える方法を見つけましょう。
インシデントを経験した看護師友達の体験談
インシデントは誰でも起してしまうものです。
私も周りの経験談を聞いて、「自分だけじゃないんだ」と気付く事が出来ました。
色々な人のインシデントの話を聞く事で、自分が経験した事以外にも、様々な状況下でのトラブルを回避出来るように考える事が出来ます。
そこで、私の身近な所で起きたインシデントを紹介します。
同期A「患者さんを転ばせてしまった」ケース
同期Aさんが受け持っていた患者さんは、転倒のリスクが高い為ベッド脇にセンサーマットを設置していました。
しかし、同期Aさんはその患者さんの病室を出る時に、センサーマットの電源をONにしないまま退室してしまいました。
再び点滴を持って入室すると、患者さんは倒れて床に転んでいました。
センサーマットの電源をちゃんと確認せずに退室してしまった、Aさんのミスでした。
次からはセンサーマットを使用している患者さんの所を退室する時は、電源が入っているか、指さし確認をするようにしたそうです。
同期B「薬剤の投与忘れ」ケース
夜勤者がラウンドに回った際に患者さんから「夕方の点滴はまだかな?」と言われ、日勤で受け持ちだったBさんに確認すると、点滴をし忘れていたことが判明しました。
患者さんが言わなかったら、ずっと気付かないままだったかもしれません。
それからBさんは点滴の投与を忘れないように、ワークシートや板など目に付くところに「夕方の点滴を確認する!」とメモして忘れないように工夫しています。
同期C「薬剤の流量ミス」ケース
Cさんは輸液ポンプを使用している患者さんの点滴を繋ぐ際に、指示されていた流量を間違えて投与してしまいました。
付き添いに来ていた家族から、いつもと表示が違うと話があり気付く事が出来ました。
Cさんは、「これが抗がん剤だったらと思うと本当に怖い…」と話していました。
点滴の流量の思い込みや、確認ミスからインシデントが起きてしまいました。
現在は病院全体でインシデントの発生を防ぐ取り組みがされ、輸液ポンプを使用している時は必ずダブルチェックで確認する決まりになりました。
まとめ インシデントを成長の糧にしよう
インシデントは看護師として働く上で、避けては通れない事です。
しかし、インシデントが起きてしまった状況をきちんと理解し、今後どのように対策を立てるかを考える事が最も大切です。
落ち込んだ気持ちをうまく切り替えて、しっかり今後に活かしていきましょう。
新人看護師さんに効果的な勉強法はこちらにまとめています。
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